はじめに
千葉県内の低層高級マンションにお住まいのお客様より、「エアコンから『りりりりりー』という電子音に近い異音がする」とのご相談をいただきました。
対象機種は三菱電機の住宅用ハウジングエアコン「MLZ-RX28RAS」。天井に直接埋め込まれる1方向天井カセット形のモデルで、発売から約20年が経過した2005年発売の機種です。スリムな見た目で天井面とフラットに納まるため、リビングのデザイン性を損なわないことから、タワーマンションや低層高級マンションで多く採用されています。
今回は実際の作業動画(Before/After)を交えながら、診断から部品交換までの流れをご紹介します。
▲Before:異音発生時の本体外観(三菱MLZ-RX28RAS)
症状
「りりりりりー」という電子音に近い異音が運転中に発生。異音は間歇的に鳴ったり止まったりする状況で、冷暖房の効き自体には大きな異常は見られません。このような電子音・高音域の異音は、ファンモーター内部のベアリングや基板関連部品の劣化、あるいはモーター制御部の異常によって発生することが多い症状です。コンプレッサー由来の低い振動音とは異なり、モーター単体の不調を疑うべきサインといえます。
診断・原因特定
天井埋め込み型のハウジングエアコンは、本体内部にラインフローファンと送風用モーターが格納されています。シロッコファンを使う壁掛けタイプとは構造が異なり、ラインフローファン特有の細長い羽根を駆動するモーター部分に経年劣化が起きると、回転ムラや異常な摩擦音として現れることがあります。
現地調査の結果、本体カバーを開けて内部を確認したところ、ファンモーター本体に劣化のサインが見られました。約20年使用されている機種であることも考慮し、モーター交換による恒久対応をご提案しました。

作業内容
天井埋め込み型のため、作業は以下の手順で進めます。
- 室内機カバー・グリルパネルの取り外し
- ラインフローファン・ドレンパン等の周辺部品を分解
- 既存のファンモーターを取り外し、新品モーターと比較確認
- 新品モーターへ交換し、配線を接続
- 各部品を元の状態に組み戻し、試運転で異音の有無を確認
交換前後でモーターを並べて確認したところ、長年の使用による劣化が見て取れる状態でした。新品モーターへの交換後、試運転では「りりりりりー」という電子音は完全に解消し、スムーズな送風動作に戻りました。
▲After:ファンモーター交換後 試運転で電子音は完全に解消
修理費用の内訳
天井埋め込み型は壁掛けタイプに比べて分解・組立工程が多いたため、作業時間はやや長くなりますが、今回のケースでは3〜5万円の範囲で修理が完了しました。診断出張費、ファンモーター本体の部品代、分解・組立・試運転の作業費を含んだ総額です。
まとめ・アドバイス
「りりりりりー」のような電子音・高音域の異音は、初期段階では「気にしなければ使える」と感じる方も多いのですが、放置するとモーター完全停止や異常停止につながるケースがあります。特に発売から15年以上経過している機種は、モーターやファン関連部品の経年劣化が進んでいる可能性が高く、早めの診断をおすすめします。
ハウジングエアコンは天井に埋め込まれている分、壁掛けタイプよりも分解難易度が高く、対応できる業者も限られます。住宅設備に精通した業者への相談が安心です。
よくある質問
Q. 異音がしてもエアコンは普通に使えていますが、すぐに修理は必要ですか?
A. 冷暖房は効いていても、モーターやファン部品の劣化が進行している可能性があります。放置すると完全停止に至ることもあるため、早めの点検をおすすめします。
Q. ハウジングエアコンのモーター交換は壁掛けタイプより高くなりますか?
A. 天井埋め込み構造のため分解・組立の工数が増える分、壁掛けタイプよりやや費用が高くなる傾向がありますが、機種や症状によって異なります。
Q. MLZ-RX28RASのような古い機種でも部品は手に入りますか?
A. メーカーの補修用部品保有期間内であれば対応可能です。発売から年数が経過している機種は事前の部品確認が重要になります。
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